厳しい監視で不法投棄減る
茨城県牛久市農業委員会では、毎月2回の農地パトロールを行い、無断転用や不法投棄を防止している。そのきっかけとなったのが、02年8月末と03年5月の連休明けに市内2か所、100アールの畑で見つかった建設残土など産業廃棄物の不法投棄。農業委員会では、市環境衛生課や建設部、警察と連携して原状回復にこぎつけた。この苦い経験を契機に、03年5月の総会で農地パトロールの実施を決め、翌6月からスタートさせた。
パトロールは毎月第1・3月曜日の2回。午後1時30分から3時にかけて、農業委員2人と事務局1〜2人が班を編成し、交代で担当地区を中心に巡回する。
パトロールの結果は「農地パトロール報告書」として違反転用や遊休農地の確認状況を記入して事務局に提出。事務局はその報告を「違反転用事案台帳」に整理し、違反転用の事例が発生した場合、是正指導に役立てている。03年は6月から10月までの6回のパトロールで14件の違反転用事例が発覚したが、04年以降、3件と激減している。山越康義会長(61)は「監視が厳しくなったので不法投棄が少なくなった」とパトロールの成果を強調する。
また「最初は農業委員会だけで対応しようとしたが、市の他の機関と連携したのが良かった」と指摘する。市では、建設残土の持ち込みを規制する「土砂等による土地の埋立て、盛土及び堆積の規制に関する条例」を改正し、農地も規制の対象に追加した。さらに市では、各地区に不法投棄の監視員を57人配置し、監視体制を敷いている。
農業委員会だより、市の広報誌を活用したPR活動の取り組みも怠らない。03年には、市の広報誌で無断転用や不法投棄防止について5回連載の記事を掲載した。農業委員会のホームページでも「農地への不法投棄・無断転用の防止」を訴える。このような農地パトロールの取り組みは稲敷地域(牛久市を含めて6市町)全域に広がっている。
牛久市は、7月20日の定数改正で農業委員数が18人から13人(選任6人、公選7人)に減少した。1人当たりの担当範囲は広がるが、事務局長は「委員数が減ってもパトロール活動に支障はない」と言い切る。
今後の課題は、違反転用の早期発見と是正指導。「不在地主は少ないので利用権設定に持っていきたい」と会長は意欲を語る。
(2005年9年9日掲載) |